他人への不動産贈与にかかる贈与税について、税額の計算方法や手続きの注意点を以下に詳しく解説します。

✅ 不動産贈与にかかる贈与税の概要

贈与税は、個人から財産を無償でもらった人（受贈者）に課される税金です。不動産の贈与も当然この対象になります。受贈者が個人であれば、贈与税の課税対象です。

💰 贈与税の計算方法（税額）

贈与税額は、以下の式で計算されます。

《贈与税額 ＝（課税価格 － 基礎控除）× 税率 － 控除額》

• 基礎控除：110万円（年間）

• 課税価格：贈与された不動産の「贈与時点での評価額」
  　- 通常は固定資産税評価額を用います。

• 税率と控除額（特例を使わない「一般贈与」の場合）：

📝 例：不動産を1,000万円で贈与された場合

• 固定資産税評価額：1,000万円

• 基礎控除：110万円

• 課税価格：890万円

• 所得税率：40%、控除額125万円
  → 税額：890万円 × 40% － 125万円 ＝ 231万円

🧾 手続きの注意点

① 贈与税の申告

• 申告時期：翌年の2月1日～3月15日まで

• 提出先：受贈者の住所地の税務署

• 必要書類：

  • 贈与税の申告書（第1表など）

  • 不動産の登記簿謄本

  • 固定資産税評価証明書

  • 贈与契約書（任意だが推奨）

② 登記手続き

• 不動産の名義変更には**登録免許税（固定資産税評価額の2％）**が別途かかります。

• 贈与契約書を添えて法務局で申請します。

⚠ 注意点・落とし穴

• 誰が贈与を受けたかが重要：受贈者が配偶者や子の場合、「特例贈与」が使える場合があります。

• 夫婦間の贈与は特例あり：婚姻20年以上の夫婦間で居住用不動産を贈与した場合、最大2,000万円の控除（配偶者控除）が受けられます。

• 贈与契約は書面に残すべき：税務署とのトラブル回避のため、証拠として契約書は作成しましょう。

• 相続税対策として使う場合も要注意：贈与から3年以内に贈与者が亡くなると、相続税の対象に「持ち戻し」されます。

✍ まとめ