不動産売買にかかる 仲介手数料の勘定科目と会計処理（個人・法人別） を整理して解説します。

🔹1. 法人の場合

（1）不動産を購入したとき

• 土地を購入した場合

  • 仲介手数料は土地の取得に直接要した付随費用とみなされます。

  • 【仕訳例】

    
    （借方）土地　××× ／ （貸方）現金　×××
    

    ※仲介手数料分も「土地」に含めて処理

• 建物を購入した場合

  • 仲介手数料は建物の取得原価に算入します。

  • 【仕訳例】

    
    （借方）建物　××× ／ （貸方）現金　×××
    

👉 ポイント

• 法人会計では「仲介手数料」という費用勘定ではなく、資産の取得原価に含めるのが原則です。

• ただし、賃貸のために不動産を借りるときの仲介料は「支払手数料」で費用計上します。

（2）不動産を売却したとき

• 売却時に支払う仲介手数料は「販売費及び一般管理費」として処理します。

  • 勘定科目：支払手数料

  • 【仕訳例】

    
    （借方）支払手数料　××× ／ （貸方）現金　×××
    

🔹2. 個人（事業所得者）の場合

（1）購入時

• 不動産を 事業用資産 として購入した場合

  • 法人と同様に、仲介手数料は資産の取得価額に算入します。

  • 【例】店舗用建物を購入した場合

    
    （借方）建物　××× ／ （貸方）現金　×××
    

• 居住用不動産（自宅） の場合

  • 仕訳処理は不要（家計支出扱い）。

  • 将来売却時の譲渡所得計算で、取得費に仲介手数料を加算可能。

（2）売却時

• 事業用資産を売却

  • 売却時の仲介手数料は「支払手数料」として経費処理可能。

• 居住用資産を売却

  • 経費処理はできないが、譲渡所得の計算上「譲渡費用」として控除可能。

🔹3. まとめ表

✅ ポイント整理

• 購入時：取得原価に算入（法人・個人とも）

• 売却時：費用（支払手数料）（法人・個人とも）

• 個人居住用：仕訳不要、譲渡所得計算で調整