不動産売買における 手付金の勘定科目と仕訳方法 は、売主・買主どちらの立場かによって変わります。また、個人事業主・法人の場合には会計処理が必要になります。以下に整理します。

🔹 1. 売主側の会計処理

（1）手付金を受け取ったとき

• 勘定科目：預り金／前受金（まだ売上確定ではないため）

（借方）現金・預金　xxx円
　（貸方）前受金　xxx円

（2）決済時に売買代金へ充当する場合

• 受け取った手付金を売買代金に充当

（借方）前受金　xxx円
　（貸方）売上（不動産売却益）xxx円

• 残金入金時

（借方）現金・預金　xxx円
　（貸方）売上（不動産売却益）xxx円

※売却益は帳簿価額との差額で計算し、土地・建物の帳簿価格を減額して利益を計上します。

（3）契約解除で手付金を返還する場合

（借方）前受金　xxx円
　（貸方）現金・預金　xxx円

🔹 2. 買主側の会計処理

（1）手付金を支払ったとき

• 勘定科目：仮払金／前渡金

（借方）前渡金　xxx円
　（貸方）現金・預金　xxx円

（2）決済時に売買代金へ充当する場合

• 手付金充当

（借方）土地・建物　xxx円
　（貸方）前渡金　xxx円

• 残金支払

（借方）土地・建物　xxx円
　（貸方）現金・預金　xxx円

（3）契約解除で手付金を放棄する場合

• 買主が支払った手付金は戻らない → 不動産取得関連の費用として計上
  （法人なら「雑損失」、個人事業主なら「事業外費用」扱いになるケースあり）

（借方）雑損失　xxx円
　（貸方）前渡金　xxx円

🔹 まとめ

• 売主側：受取時は「前受金」、決済時に売上に振替。

• 買主側：支払時は「前渡金」、決済時に資産（不動産）へ振替。

• 契約解除：返還なら預り金の戻し、放棄なら損失計上。